1.序論
みなさま、おはようございます。さて、今日はいよいよ主イエスが十字架上で絶命されるという重大な場面です。マルコ福音書の記述は、イエスが徹底的に孤独に追い込まれ、孤立無援、まさに四面楚歌の状況に陥ったことを強調しています。ルカ福音書には、イエスのことを嘆き悲しむ多くのユダヤの民衆が描かれていますが、マルコはそのようなイエスに好意的な群衆がいたことについて触れていません。また、ヨハネ福音書では「主に愛された弟子」と呼ばれるイエスの一番弟子や、イエスの母マリアが十字架のすぐ下でイエスを見守ったことになっていますが、マルコでは十字架から遠く離れたところから見守っていたガリラヤの女性たちのことしか書かれていません。また、ルカ福音書によれば、イエスの両脇で十字架に架かった二人の強盗のうちの一人はイエスに好意的で、イエスに自分を救ってくださいと願い、イエスもそれを受け入れるという微笑ましい情景が描かれていますが、マルコはそのような強盗がいたことを一切書いていません。むしろ、イエスはすべての人から拒絶され、捨てられたことを強調しています。イエスは十字架上で独りぼっちだったのです。
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