* 当日の説教ではこのうちの一部を省略して話しています。
お読みいただいたルツ記の個所はルツ記の結論部分で、苦難の人生を歩んだナオミが幸せをつかんだところです。内容はご存じのことかとは思いますが、聖書に添って、順番に見ていきましょう。特に、今日は、ルツの姑ナオミに注意を向けてください。
ナオミはベツレヘム出身のエリメレクの妻です。「ナオミ」の名前の意味は「私の喜び、楽しみ、愉しみ、快い」であり、美しい名前です。この夫婦には二人の男の子がいました。一家は飢饉でモアブの野に行った、と記されています。モアブの地に開拓に入った、と考えよさそうです。私の親戚にもブラジルのアマゾン川下流のベレンに移住した家族がいますが、その開墾は大変な苦労だったようで、結局、ブラジリアに移り、野菜栽培と商売で生計を立てるようになりました。エリメレク一家もモアブの野の開墾は大変なことであったと思われます。その間に二人の息子は現地のモアブの娘と結婚します。長男の嫁がルツで次男の嫁がオルパです。ルツという名前は「友情、潤い、友」という意味の言葉でこれも美しい名前です。その後10年くらいモアブの地に住んでいた、と言われています。ナオミは15歳で結婚したとすると、二人の子が生まれ一家をなすまでが5年とするとナオミが20歳でモアブの地に移り、子供たちが結婚するまでが15年とし、更に10年住んでいた、ということのようですから、ナオミは既に40歳です。当時であれば孫がいて、おかしくはありません。この嫁二人には子供が生まれなかったようです。嫁は25歳くらいです。律法では子の生まれない妻は離縁されても文句を言えないことになっていましたが、エリメレクとその息子たちが離縁を考えた風はありません。おそらくナオミが異邦人であるモアブ人の嫁を自分の子のように扱い、子供が生まれなくても、男どもはそれをとやかく言わなかった、と理解してよいでしょう。男たちは、開墾が大変で、家のことはナオミが仕切っていた、と考えて差し支えありません。女系の雰囲気です。
“ルツ記の女性たち:ナオミルツ記4:13-17
森田俊隆” の続きを読む