サウル、王として宣言される
第一サムエル10章17~27節

1.序論

みなさま、おはようございます。今、私たちはイスラエルの初代の王となるサウルがいかに神から選ばれ、また人々から受け入れられていくのかを学んでいます。イスラエルに初めて王制が導入される、その歴史的瞬間について学んでいるのです。前回は、預言者サムエルから王としての油注ぎを受けたサウルが、三つのしるしを与えられるところを学びました。三つのしるしとは、それぞれ「王」、「祭司」、「預言者」に対応したもので、サウルにはこの三職が与えられることを暗示したものでした。つまりサウルは人々を統治する王であるだけでなく、人々と神との関係を仲立ちする祭司としての役割、また神の御心を告げる預言者としての役割をも与えられるのです。その証拠として、サウルには圧倒的な聖霊の注ぎが与えられました。こうしてサウルはまったく新しい人へと変えられました。

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サウル、油を注がれる
第一サムエル10章1~16節

1.序論

みなさま、おはようございます。サムエル記の学びは、前回からサウル王の話に入りました。前回の説教でもお話ししましたが、一般的にクリスチャンの間では、サウル王のイメージは正直に申し上げてよくないと思います。以前、改革者の神学者が書いた本を読みましたが、その本ではサウル王は永遠の滅びに定められているに違いない、というようなことが書かれていました。どうも、ダビデ王の命をしつこく狙う嫉妬深い王様、というイメージが定着しているようです。

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青年サウル
第一サムエル9章1~27節

1.序論

みなさま、おはようございます。サムエル記からの説教も早いもので、今日で9回目になります。前回の箇所では、イスラエルの人々が王を立てたいとサムエルに願い出ました。それまではイスラエルには王はいませんでした。なぜならイスラエルを王として導くのは神ご自身だったからです。しかし、人々は見えない神よりも、目に見える人間の王を求めました。勇敢で強いリーダーシップを持った王を立てて、彼によって外敵から守ってもらおうとしたのです。しかし神は王という存在の危険性をイスラエルの人々に指摘しました。王があなたがたのために戦うよりもむしろ、あなたがたが王のために戦わなければならなくなると。戦いだけではなく、王は日常生活のいろんな場面で、人々の権利や自由を侵害するだろうとも警告しました。

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王を求める民
第一サムエル8章1~22節

1.序論

みなさま、おはようございます。今日もサムエル記から学んで参りましょう。さて、前回の箇所でもお話ししましたように、サムエル記の1章から7章まではひとまとまりの話になっています。これはサムエルを主人公とする話で、サムエルは士師としてイスラエルを一つにまとめる働きをしていました。

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最後の士師サムエル
第一サムエル7章1~17節

1.序論

みなさま、おはようございます。今日はサムエル記の7章を読んでいただきましたが、サムエル記の1章から7章までは、ひとまとまりの物語だと言えます。それはサムエルを主人公とした物語です。8章以降は、イスラエルの初代の王となるサウルがストーリーの中心になりますが、それはそのままイスラエルが王制に移行していくという話でもあります。それに対してこの7章までは、イスラエルが「士師」と呼ばれるリーダーたちに率いられる最後の時代を過ごしているという、そういうことになります。

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一体何が起こっているのか?
第一サムエル6章1~21節

1.序論

みなさま、おはようございます。前回に続いて、今日も「主の箱」、「契約の箱」を巡るペリシテ人とイスラエル人との間の一連の騒動について見て参ります。聖書テクストを詳しく見る前に、この契約の箱のはらむ問題について少し考えたいと思います。この契約の箱は、一歩間違えればイスラエルを偶像礼拝に導きかねない、そのような問題を抱えているという話をさせていただきます。

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おとぎ話としてではなく
第一サムエル5章1~12節

1.序論

みなさま、おはようございます。サムエル記からの説教も、今回で五回目となります。さて、今日の箇所ですが、お読みになられてどのようにお感じになったでしょうか?なんだか本当の話とは思えない、おとぎ話かファンタジー小説のように思われたかもしれません。もちろんこれは聖書のテクストですから、そんな失礼なことは考えたこともない、思いもよらないことだ、とお考えになる方もおられるでしょう。しかし、クリスチャンでない方が今日の箇所を読んでどう思うかと考えると、「これは聖書の話というよりも、おとぎ話の類いではないのですか?」という反応が返ってくるのを容易に想像できます。

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奪われた契約の箱
第一サムエル4章1~22節

1.序論

みなさま、おはようございます。サムエル記からの説教は、今日で四回目になります。これまでは、ハンナ、サムエル、エリとその息子たちというように、個人の信仰の在り方に注目してきましたが、今日の箇所からは個人の問題を越えたイスラエル民族全体の命運、政治的な話にテーマが移っていきます。しかし、それは個人の命運とは無関係にではありません。前回の箇所では、イスラエルの霊的指導者であるはずのエリの息子たちが道を踏み外し、それに対して神はサムエルを通じて裁きを宣告するという場面を学びました。しかし、その裁きはエリとその息子たちだけでなく、イスラエル全体に及びます。指導者の罪が、彼らの率いる群れ全体、民族全体に悪影響を及ぼすということです。リーダーの責任の重大さを改めて思わされる箇所です。

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サムエルの召し
第一サムエル3章1~21節

1.序論

みなさま、おはようございます。サムエル記からの説教は今回で3回目になります。そして、今回から初めてサムエル記の主人公の一人であるサムエルが本格的に登場します。今日はそのサムエルの預言者としての召命物語になります。私たちは以前、預言者エレミヤの召命物語を学びました。エレミヤは祭司の家系に生まれた人で、祭司には30歳になった成人男性がなるのですが、エレミヤは弱冠20歳で預言者としての召しを受けます。祭司として働く年齢より10歳も若いわけで、エレミヤはこの時「自分は若過ぎます」といって神の召しを拒もうとします。しかし、今日のサムエルはもっともっと若いです。幼いといってもよいかもしれません。この時点でサムエルは何歳だったのか、はっきりとは分かりません。サムエルは既に祭司エリの下で祭司見習いとして働いていましたが、ユダヤ人の元服は13歳ですので、おそらくサムエルも13歳になるかならないかという年齢であったと思われます。日本でいえば、中学1年生ぐらいの歳です。古代のイスラエルは、現代の日本よりも大人になる年齢はずっと低かったわけですが、それにしても13歳ではまだ世の中のことはよく分かっていなかったでしょう。

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祭司エリの息子たち
第一サムエル2章1~36節

1.序論

みなさま、おはようございます。私たちはサムエル記を学び始めましたが、今回が二回目になります。サムエル記の始まりは、一人の女性の祈りでした。彼女は子どもを授かることができない不妊の女性で、そのために大変惨めな境遇にいました。その女性すなわちハンナの、子どもを授けて欲しいという必死な願いに応えて、神がハンナに男の子を与えてくださったという、そういう話でした。

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