1.導入
みなさま、おはようございます。6月に入りました。6月は、ジューン・ブライドという言葉があるように梅雨さえなければ、花の咲き誇る、一年でももっとも過ごしやすい時期であるのかもしれません。とはいえ、今この東京は緊急事態宣言下にあり、気の抜けるような状況ではありません。この6月も主の守りの中を歩めるように、ともに祈ってまいりましょう。
さて、いつものように、このコリント第一の手紙のこれまでの内容について振り返ってみましょう。コリントの教会は、パウロが1年以上開拓伝道をして立ち上げた教会です。1年半というのは、一か所での滞在期間としてはパウロにとって非常に長いものでした。それだけ異文化や新しいものを受け入れる気風のあるコリントという都市の可能性を、パウロは高く評価していたのです。パウロはコリントを離れた後も忙しく地中海の諸都市を巡り、次々に新しい教会を立ちあげていました。しかし、パウロがいなくなってしまった後のコリントの教会には、実に様々な問題が勃発しました。1年半というのはパウロには相当長い期間でしたが、ユダヤ人のようにもともと旧約聖書に親しんでいたわけでもない異邦人中心のコリント教会にとって、1年半という期間はキリスト教のことを深く理解し、実践していくには短すぎたとも言えます。パウロが去ってからすぐに新しい指導者が与えられたわけではなく、アポロという別の指導者が来るまでの間、コリント教会はリーダー不在の状況になってしまいました。その空白期間、コリント教会では内部分裂というか、いくつかのグループが出来てしまい、それらが互いに対立している有様でした。ほかにも様々な問題が勃発し、コリントの教会はまさに問題のデパートという様相を示していました。
“おとなとして第一コリント14章1~25節” の続きを読む