1.導入
みなさま、おはようございます。第二コリント書簡からの今日で三回目の説教になります。さて、過去二回の説教でも言いましたが、パウロの第二コリント書簡は非常に難しい手紙です。難しいというのには二重の意味がありますが、一つには、この手紙を書いた時のパウロの状況が大変難しかったことがあります。パウロはその当時、伝道に伴う大変な迫害を経験していて、その上自分が開拓伝道して立てた教会の信者たちとの関係も必ずしも良好ではありませんでした。まさに内憂外患という状態でした。私たちは1年前に旧約聖書の預言者エレミヤの生涯を学びました。人々の無理解に苦しむエレミヤは涙の預言者と呼ばれましたが、パウロも涙の使徒と呼びたくなるような困難に直面していたのです。そして二つ目の難しさとは、この手紙の内容そのものが難しいということです。それは、この手紙には難しい理屈や教理が書かれていて難解だという意味ではありません。そうではなく、この手紙を書いたときのパウロの置かれていた状況をよく踏まえておかないと、この手紙を理解するのはなかなか難しいということです。
“パウロの第一の予定変更第二コリント1章12~22節” の続きを読む