1.導入
みなさま、おはようございます。第二コリント書簡からの第二回目の説教になります。前回はこの手紙の特徴やテーマについてお話ししましたが、この書簡は「パウロの弁明」と呼んでもいいほど、パウロは必死に自らの使徒としての立場を擁護しています。パウロというと、新約聖書の約半分の文書を書いた、使徒の中の使徒、大使徒というイメージがあるでしょうが、まだ新約聖書が完成されていなかった最初期のキリスト教の黎明期、パウロの教会全体の中での立場は盤石ではありませんでした。盤石どころか、自らが設立した教会、いわばおひざ元と言える教会から次々と火の手があがる、そんな危機的な状況でした。
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