1.導入
みなさま、おはようございます。今日は「音楽の集い」が午後から開催されるので、いつもより多くの方が礼拝に来られています。心より歓迎いたします。当教会では第二コリント書簡からの連続説教を行っていて、今日が5回目なのですが、今回が初めてという方もおられますので、この手紙の背景からお話ししていきたいと思います。
パウロがこの手紙を送った教会のあるコリントという都市はギリシアの南部に位置する貿易港で、当時の地中海世界では最大の都市の一つでした。人口は50万人を超えていたといわれますが、それより大きな人口を抱えた都市といえばローマなどごくわずかでした。パウロもこの大都市に宣教地としての大きな可能性を見出し、紀元51年から1年半にわたり伝道活動を続けました。1年半というと、今日の教会員の感覚ではとても短いものではないでしょうか。新しい教会に赴任してきた牧師が、1年半で別の牧師に交代、ということになれば、なんて急な話だろう、と私たちは思うでしょう。1年半かけて、やっと牧師と教会の方々の信頼関係が出来上がる、というのがせいぜいではないでしょうか。ですからコリント教会の人にとっても、開拓伝道者であるパウロが1年半で他の都市に行ってしまったということに対し、なんだかすこし寂しいというか、取り残されたような思いがしたことでしょう。
“和解
第二コリント2章5~11節” の続きを読む