1.導入
みなさま、おはようございます。エレミヤ書からの連続説教も今日で16回目、残すところあと2回となりました。今日のメッセージは、エレミヤの人生の最後の日々、エルサレムが陥落し、ユダ王国に遣わされた預言者としての使命を終えた後の人生の最晩年について学んでまいりたいと思います。エルサレムが陥落した時、エレミヤはもう60歳になっていました。今日では人生100年時代と呼ばれるようになりましたが、当時は60歳というともう現役を退く年でした。過酷な預言者人生を送ったエレミヤですので、せめて余生は平穏な人生を送りたかったでしょうが、そうはいかなかったのです。彼の人生は、その終わりまで苦難に満ちたものでした。
さて前回は、エルサレムが滅びる直前に行われた、エレミヤとユダ王国最後の王ゼデキヤの密談の場面を見ました。エレミヤは、もうすぐバビロンがエルサレムを滅ぼすために戻ってくる、それまでの間に早くバビロンに降伏して生き延びなさいと強く勧めます。その言葉を受け入れたゼデキヤ王ですが、結局徹底抗戦を叫ぶ部下たちを恐れて決断できず、エルサレムはとうとうバビロンによって攻め滅ぼされました。その顛末は、本日交読文でお読みした通りです。バビロンの王ネブカデレザルは、エルサレムが陥落するとき、部下に命じて囚われの身だったエレミヤを保護させました。なぜバビロンの王がイスラエルの預言者を保護したのか、その詳しい理由は書かれていません。おそらく、早い段階でバビロンに投降していた親バビロン派のユダヤ人たちが、バビロンの王にエレミヤのことを伝えていたのでしょう。エレミヤは、イスラエルの神はバビロンの王を覇者に定めたと預言していましたら、そのことを聞いたバビロンの王も悪い思いはしなかったのでしょう。エレミヤを助け出すことにしたのです。
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