1.導入
みなさま、おはようございます。前回はイエスが四人の漁師たちを弟子として召し出したところを学びました。今回は、いよいよイエスが本格的な宣教活動をスタートさせる、そういう場面です。イエスはカペナウムというところに行って、そこで活動を開始します。カペナウムはイエスの宣教の拠点となる重要な場所なので、この地についてすこし解説しましょう。イエスが生まれ育ったナザレはガリラヤ湖畔の村ではありません。湖からはかなり離れた内陸の、むしろ隣国のサマリヤに近いところにありました。人口は数百人しかいない小さな村で、かなり引っ込んだところ、というイメージでしょうか。それに対してカペナウムはガリラヤ湖畔の町としてはかなり大きなもので、人口も1万人ほどでした。そこはローマの軍隊の駐屯地になっていましたので、今の日本で言えば米軍キャンプのある横須賀のような感じでしょうか。そこにはローマ帝国に代わって税金を取り立てる取税人たちの事務所があり、12使徒のひとりの取税人マタイもこの町でイエスに弟子になるようにと呼ばれました。それでも、カペナウムは都会と呼べるほど開けたところではありませんでした。そこは比較的大きな漁村ではありましたが、都市ではなかったのです。
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