1.導入
みなさま、おはようございます。だんだんと秋らしい天気になってきました。第一コリントからの最初の説教が昨年の10月からでしたので、パウロのコリント教会への手紙を読み始めてちょうど今月で1年ということになります。第二コリントの説教は今日で四回目になりますが、みなさんもこの第二コリントの内容というかトーンが、第一コリントとはだいぶ違うということにお気づきになられたことと思います。パウロは第二コリントの手紙において、一生懸命自分のことをコリントの教会の人たちに対して弁明しています。少し弱気になっているようにすら感じられます。その前の第一コリントの手紙では、パウロは権威を持って、かなり強い調子でコリント教会に対して耳の痛いことも書いていました。それは逆に言えば、厳しいことを書いてもコリントの人たちは自分のことを受け入れてくれるだろうという自信がパウロの側にもあったからでした。確かに第一コリントの手紙を書いたころにも、パウロに反対する人々がコリント教会にはいました。当時のコリント教会は「パウロ派」、「アポロ派」、「ペテロ派」というようにいくつかの派閥ができてしまっていました。自分はアポロ派だ、アポロ先生に付くんだ、という人たちはパウロからは距離を置いていたことでしょう。しかし、こういう派閥は教会員の人たちが勝手に作ったもので、パウロとアポロが対立したり、コリント教会の主導権を握ろうと争っていたわけではありません。パウロとアポロはお互いを優れた同労者として認めあっていて、コリント教会で自分たちをめぐって派閥が出来てしまったことに憂慮していました。ですから、パウロはアポロ派の人々に対しても遠慮することなく語りかけることができました。
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