1.序論
みなさま、おはようございます。今日の説教タイトルは「神の国の権力者」ですが、このタイトルを聞いて少し違和感を持たれたかもしれません。といいますのも、「権力者」という言葉の生々しさ、俗っぽさが、「神の国」という聖なるもの、清らかなイメージとそぐわないと感じられるからです。しかし、あえてこのようなタイトルにしました。といいますのも、イエスの弟子たちがイエスに従ってきた動機がかなり俗っぽいものだった、端的に言えば出世のためだったということが、今回の彼らとイエスとの会話で露骨なほど明らかになるからです。イエスの弟子たちは無欲な人たちではありませんでした。むしろ私たちと全く同じような、俗人でした。彼らはずばり、「権力者」になりたかったのです。ですから私たちも、自分自身が聖人にはほど遠い、人並みの欲得で動く人間だと痛感することがあったとしても、がっかりする必要はありません。そんな私たちのことを、イエス様は私たち以上によくご存じです。それでも主は私たちを選んで、召してくださったのです。
“神の国の権力者マルコ福音書10章32~52節” の続きを読む