1.導入
みなさま、おはようございます。今日もマルコ福音書からイエスの伝道について考えてまいります。今日のテーマは「断食」です。皆さんは断食をしたことがあるでしょうか。近ごろは、「プチ断食」、つまり本格的な断食ではなく、一食だけ抜くことが健康や美容に良いということで、軽い断食に取り組んでおられる方も少なくないと聞きます。その一方、日本では宗教上の理由で断食をする、というケースはあまりないように思います。日本の伝統的な宗教である仏教では、修行中のお坊さんはともかく、檀家の信徒さんが日常生活の中で断食をするという話は聞いたことがありません。イスラム教では「ラマダン」という期間中に断食をしなければなりませんが、日本でイスラム教徒の人はほとんどいないので、私たちもテレビなどでしかそれを知ることはありません。では、キリスト教は、といえば、特にプロテスタント教会では「断食」を定期的に行っている教会というのはついぞ聞いたことがありません。「断食」というと、修行というイメージがあるからかもしれませんが、プロテスタント教会では修行らしきことはほぼ全くしないので、断食にもなじみがないのかもしれません。カトリック教会では断食をするようですが、プロテスタントはアンチ・カトリックということで始まったので、むしろ断食には否定的なのです。
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