今日はネヘミヤ記です。先月はエズラ記でしたが、今日のネヘミヤ記はエズラ記と一体のものであり、エズラはユダヤ教の骨格を打ち立てた学者であり、ネヘミヤは政治指導者として、そのユダヤ教を民族の宗教としてユダヤ人に実行せしめた、と言う関係にあります。このエズラ、ネヘミヤが確立した宗教が本来の意味でのユダヤ教と言ってよいでしょう。後期ユダヤ教と言います。これ以前は、ユダ王国の宗教が存在しましたが、国家祭儀としてのユダヤ教です。後期ユダヤ教は国家なき宗教であり、ユダヤ教の信仰者共同体がユダヤ民族である、という世界でも稀に見る民族を誕生させたのです。通常、民族と言うのは基本的には人種から形成されるものです。その民族が共通の言語を持ち、共通の宗教を持つようになって、民族が形成されていくのです。ユダヤ人は人種的な出発点こそ、セミ族の一つと見られますが、雑多な部族の混血によりなっており、人種的に共通性がある訳ではありません。ユダヤ人とはユダヤ教を信ずる人、ということであり、宗教共同体が民族となった、民族です。この民族は、よく言えば波乱万丈の歴史を経験し、苦難の歴史の中で宗教のみが共通点というユダヤ人が生まれたのです
“エズラ・ネヘミヤによるユダヤ教ネヘミヤ記13:1-9
森田俊隆” の続きを読む