1.導入
みなさま、おはようございます。今週からレントに入ります。レントというのは、イースター、つまり復活祭から数えて46日前のことです。46というと中途半端な数に思えるでしょうが、日曜日を除くとちょうど40日間になります。40日といえば、公生涯に入る前のイエス様が荒野で飲まず食わずの断食を行った期間です。私たちもまた、受難を乗り越えて復活に至った主イエスの苦難を覚えて、厳かな日々を過ごしていく、それがレントの意味です。
欧米では、レントの期間中クリスチャンが何か好きなものを断念する、ということをよくします。私がイギリスで留学生活を始めて最初のレントの時、神学部の友人の女性がレントの期間は紅茶を飲まない、と私に話したので、「どうしてそんなことをするのですか?」と聞くと、レントの期間は主イエスの苦難を覚える時なので、私も自分の好きな紅茶をレントの期間は我慢するのです、と説明してくれました。日本でもレントの期間にそのようなことをされているクリスチャンの方もたくさんおられるのかもしれませんが、私はそれまで恥ずかしながらレントの期間に何かを我慢するというようなことをしたことがなかったので、その友人の話は大変新鮮に響きました。
さて、レントの期間は46日で終わりますが、ではもし皆さんが一生の間、何かを我慢する、あきらめるとしたらどうでしょうか?特に皆さんの大好物な食べ物を46日間ではなく、一生涯あきらめなければならないとしたら、どんな風に感じるでしょうか。今日の聖書箇所の最後では、パウロは今後いっさい肉を食べません、と宣言しています。すごい発言ですね。皆さんも、これから一生お肉が食べられない、とんかつも、チキンナゲットも、牛丼も、ハンバーグも食べられないとしたら、なんと悲しいことでしょうか。では、なぜパウロはそんな大胆なというか、驚くべき決断をしなければならなかったのか、そのことを考えながら今日の聖書箇所を読んでまいりたいと思います。
“偶像にささげた肉第一コリント8章1~13節” の続きを読む