ダビデ、ユダの王になる
第二サムエル2章1~32節

1.序論

みなさま、おはようございます。サムエル記の後編の、今日が二回目の説教になりますが、物語は急展開を見せます。前回はサウル王の死を悼むという、サムエル記の前半を振り返るような内容でしたが、今回はダビデがイスラエルの王になるために一歩一歩その地保を固めていくという局面です。今日はその際のダビデの慎重な姿勢について見て参りたいと思います。

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第二サムエル2章1~32節” の
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サウル王への哀歌
第二サムエル1章1~27節

1.序論

みなさま、おはようございます。33回に及ぶサムエル記上の講解説教が終わり、今日からいよいよ後半、サムエル記の下に入ります。サムエルの下は、苦難の末に、ついにダビデが王となってイスラエルを率いていく時代を描いています。ダビデの時代というのは多くのユダヤ人にとって郷愁すら覚える黄金時代です。ダビデの時代に、イスラエル人は聖地エルサレムを獲得します。そして周辺諸国を従えて、弱小民族だったイスラエルは一躍強国の地位を得ます。ダビデの時代、イスラエルは最も大きな版図を獲得したのです。しかし、そのような黄金時代を描いているにしては、サムエル記の下は暗い話が多いのです。前半はまだよいのですが、中盤以降、特にダビデが王の権限を乱用して不倫と殺人という大きな罪を犯してからは、サムエル記のトーンはものすごく暗くなります。ダビデの家は坂道を転げ落ちるように転落、崩壊していきます。私は今からこうした箇所の説教の事を考えると頭が痛くなるほどです。

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第二サムエル1章1~27節” の
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