多くの言語と真の一致
創世記11章1節~9節

矢田洋子

教会が誕生したその時、人々はいろいろな他国の言葉で話し出したと、使徒言行録は報告しています。教会は「キリスト・イエスにおいて一つ」(ガラ3:28)であり、「みなが一致して、仲間割れすることなく、同じ心、同じ判断を」(Ⅰコリ1:10)と使徒パウロは強く呼びかけていますし、「一つのからだ…一つの御霊」(Ⅰコリ12:13)で、また、「主は一つ、信仰は一つ」(エフェ4:5)です。しかし、教会はその誕生の時、使徒言行録で、一人一人が多様な言語で語り出しているということを覚えたいと思うのです。明らかに思想統制や画一化では決してないことは、教会自身が忘れてはならない大切なことだと思います。

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創世記11章1節~9節” の
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ヤコブの祈り
創世記31章51節~32章32節

1.序論

みなさま、おはようございます。今年になってから、毎月の月末には旧約聖書からメッセージをさせていただいております。今回で三回目になりますが、今日は創世記から、それも族長ヤコブについてお話しさせていただきます。聖書の神は「アブラハム、イサク、ヤコブの神」としてご自身をモーセやイスラエルの人々に自己紹介されました。それだけこの三人は、イスラエルの人たちにとって特別な存在です。アブラハムは今からだいたい4千年も前の人物とされていて、もともとカルデヤと呼ばれる地、そこはバビロニア帝国が生まれた地ですが、そのカルデヤの住民でしたが、神に召し出されて高齢になってからカナンの地に移り住みました。アブラハムはイスラエル民族のルーツ、開祖とされる人物ですが、イスラエル人だけでなく、アラブ人の祖先でもあります。ですからユダヤ教やキリスト教だけでなく、イスラム教にとってもアブラハムは極めて重要な人物なのです。そのアブラハムの子がイサク、孫がヤコブです。

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