1.序論
みなさま、おはようございます。これまで毎週マルコ福音書を読み進めていますが、今後は毎月の最終週には旧約聖書からメッセージを取り次ぐことにします。そして、今回はその一回目になりますが、預言者エゼキエルを取り上げます。私は当教会に着任した時に最初にエレミヤ書から講解説教をしましたが、エレミヤとエゼキエルは同じ時代に生きた預言者です。とはいえ、エレミヤが預言者としての召しを受けたのが紀元前627年で、エゼキエルの召命は紀元前593年ですから、二人の召命には35年ぐらいの開きがあります。このようにエレミヤの方が年上だったのですが、しかし二人の預言者としての働きには重なり合う時期がありました。それがエルサレムの滅亡する直前の時期でした。この二人の預言者の人生において、最も忘れがたい年はいうまでもなくエルサレムが陥落し、エルサレムの神殿が破壊された紀元前587年でした。日本でいえば原爆が投下された終戦の年、1945年のような悲劇の年です。エレミヤとエゼキエルの預言は、滅びに突き進むイスラエル民族に向けられたものでした。
“亡国の預言者エゼキエルエゼキエル書33章21~33節” の続きを読む